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新英語教育研究会神奈川支部HP

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2022.11  Zoom講演 山中 司さん ALTとの関わり方

ルターが個人参加した講演会のメモです。


2022/11/17〈 講演テーマ 〉真の英語力を伸ばすための外国語指導助手(ALT)との関わり方

外国人である外国語指導助手(ALT)との関わり方が、生徒の英語学習マインドを変えます。入試改革を見据え、高校生の間に身につけるべき英語力を、ALTと一緒に指導していくヒントをお教えします。

【講演者】立命館大学 山中 司 教授

立命館大学 教授、博士
(政策・メディア、慶應義塾大学)
一般社団法人大学英語教育学会(JACET)
本部運営委員会(研究促進委員会)
IEEE Professional Communication Society, Japan Chapter, Secretary
一般社団法人インパクトラボ理事

■ルターのメモ:
株式会社オーティーシー主催(OTCは英語ネイティブ講師を派遣する会社) 22人参加。

●ネイティブ講師の活用は難しい。
中高のALTの出所は、JETプログラム、直接雇用する私学・自治体、会社に頼む外注。
文化差があり、大学は15週授業があるが、最後の授業には日本人の先生は来るが体調悪ければ休んでしまうネイティブ講師もいる。
面と向かって「(来てもらわないと)困る」と言うのが難しい。
ネイティブ講師の活用できていない。「どう使ってよいかわからない」。スピーキングの練習、ライティングのコメント、コンテストの審査員など苦し紛れに使っている。
ネイティブ講師がライティングのコメントが適切にできるとは限らない。話す聴くは出来ても、書くのはできるわけではない。「最後のところはネイティブに直してもらう」というのはhappyではない。
ネイティブ講師にとっても楽しいわけではない。
多くの中高では悲惨。多くの自治体では1年でいなくなってしまう。

●ネイティブ講師を理想化しない。
メトミニー(換喩:たこ焼き、赤頭巾のように一部分が全体を代表する比喩)としての「帰国子女」。英語をペラペラ話す帰国子女を理想化する。その人の一部分でしかない。「こんな人になりたい」と思ってしまう。単純にことば話せるだけですよ。ネイティブ講師だからといって全部できるわけではない(書けるわけではない)。極端に理想化しないように。
一方で、大学生はネイティブ講師が来ると喜ぶ。しっかり話を聞く。
コーディネイターがいると助かる。金沢でベルリッツを使っていたが、鼻ピアスをしてきたネイティブ講師に直接注意しにくかったが、コーディネイターに伝えてもらうことができた。
ネイティブ講師は人に興味を持ってくれるので、学生は自分に興味を持ってもらうと話そうとする。

●自分たちは卑下しない。
メタ知識をターゲット言語を教えることの非効率さ。文法は日本語で教えるのが手っ取り早い。機械翻訳が普通に入ってきたら、母語である日本語が大活躍するようになる。みなさん、日本の教員は文法を教えることが出来るし、クラスマネージメントが出来るし、英語力がある(英語が書ける)。しゃべると書けるは違う! 私たちあってのネイティブ講師。

●目指すべき英語教育
外部試験(G-tech)を大学共通試験に入れるという話。2025年以降の導入を文科省は狙っている。スピーキングとライティングをさせたがっている。wash back effect。「先生の英語の勉強の仕方を学んで、今後も一生役に立つ」と生徒に思われたい。

●激変する英語環境
production能力を評価する流れがあるので、ネイティブ講師は戦略的に使っていく。
EFLからESLへの移行。
「生徒は確実に昔よりペラペラ話すようになっている」
CEFR(スィー・イー・エフ・アァ)のB1の壁がある。企業が使う英語(B2以上)との乖離がある。
コロナ禍により、オンライン留学が行われている。

●高校生の間に到達して欲しい能力
「もっとさせて良いのではないか」
完璧主義からの決別。「1文も書けないのにパラグラフは書けない」という完璧主義と決別する。
accuracy(正確性)よりfluency(流暢さ)だ。子どもたちはやらせれば出来る。
「中学校の英文法で十分なはず」
教員がマインドを変えていく。
生徒からなぜ小説が出てこないのか。クリエイティブライティングが出てこない。
教員を「共通カリキュラム」が縛っている。それを変えていく必要がある。

●英語発進力をつけるためのALTを絡めた授業とは?

ネイティブ講師の得意なことをしてもらう。
人工的なもの(ごっこ)ではなく、オーセンティックなコミュニケーションを生徒にしてもらう。
受信と発信のバランスが大事。
機械翻訳はもっと使った方が良いが、自分のものにする。
アウトソーシングのメリットはコーディネーターを通じてネイティブ講師に指示ができること。

●質疑応答
渡辺先生(文教大学):アドバイスをお願いします。(すみません、メモは不十分です…)
初心を忘れないで欲しい。良い教育がしたいと思って先生になる。3年するとマシーンのようになってしまう。


ルター:私は新英研の会員です。東京都でスピーキングテストが実施予定ですが、新英研は実施反対を表明しています。ご意見お願いします。
山中先生:やらないよりはした方が良い派です。新しいことに反対する守旧派のような構図になってしまう。損である。やるけれども文句があるというやり方の方が良い。


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